ビジネスにおいて、新しく取引を始める時や新サービスを立ち上げる時に必ず発生するのが「契約書」のやり取りです。しかし、相手方から提示された契約書を前にして、こんな不安を抱えていませんか?

「この内容でサインして、自社に不利な条件だったらどうしよう……」
「法律的に問題ない文章なのか、自分では判断がつかない」
「専門家にチェック(リーガルチェック)を頼みたいけれど、高額な費用がかかりそうで怖い」

 契約書の確認を怠ると、将来的に思わぬ損害賠償を請求されたり、自社の権利が守られなかったりといった大きなトラブル(法的リスク)に発展しかねません。
 そこで今回は、「リーガルチェックとは一体何なのか?」という基本から、具体的な利用場面、確認すべき内容、そして気になる費用の目安まで、行政書士の視点からわかりやすく徹底解説します!

1.リーガルチェックとは?基礎知識と重要性

契約書のリスクを洗い出す「健康診断」

 リーガルチェックとは、契約書や利用規約などの法的文書について、専門家が法的な観点から内容を検証し、自社にとって不利な条項がないか、法的リスクや問題点がないかを洗い出す作業のことです。

 いわば、契約書の「健康診断」のようなものだと考えてください。

なぜリーガルチェックが必要なのか?

 インターネット上で見つけた無料のテンプレート(雛形)をそのまま使ったり、相手方から出された契約書を読まずに判子を押したりすることは、非常に危険です。

 法律(民法や会社法など)は定期的に改正されますし、業界特有のルール(業法)もあります。リーガルチェックを行うことで、以下のようなメリットが得られます。

 法的リスクの回避: 知らないうちに違法な契約を結んでしまうのを防ぐ
 トラブルの予防 : 解釈のズレによる将来の揉め事を未然に防ぐ
 自社の利益確保 : 一方的に不利な条件(法外な違約金など)を修正できる

2.リーガルチェックが必要な3つの「利用場面」

 ビジネスの現場において、具体的にどのような利用場面でリーガルチェックを行うべきでしょうか。代表的な3つのケースを紹介します。

① 取引先から契約書の提示を受けたとき
 もっとも多い利用場面がこれです。相手方が作成した契約書は、当然ながら「相手方に有利」に作られているケースがほとんどです。支払条件や責任の範囲が自社に対して厳しすぎないか、サインする前に必ずチェックする必要があります。

② 自社で新しく契約書の雛形(テンプレート)を作成するとき
 新規事業を立ち上げる際や、新しいサービス(Webサービスやサブスクリプションなど)の「利用規約」を作るときも重要な利用場面です。自社のビジネスモデルに合致しており、かつ消費者契約法などの法律に違反していないかを確認します。

③ 既存の契約書を更新・見直すとき
「数年前に作った契約書をずっと使い回している」という場合は要注意です。法改正(例:民法の債権法改正など)に対応できていなかったり、現在のビジネスの実態と乖離していたりすることがあるため、定期的リニューアルとしての利用場面が存在します。

3.行政書士が教える!リーガルチェックで最低限「確認すべき内容」

 実際にリーガルチェックを行う際、具体的にどのような確認すべき内容に注目しているのでしょうか。行政書士が実務で必ずチェックする重要ポイントを4つに絞って解説します。

確認項目 具体的な確認すべき内容の例
① 業務内容と対価の明確性「何をするか」「いくら払うか(消費税の有無)」「いつ払うか」が曖昧になっていないか。
② 知的財産権の帰属成果物(デザイン、プログラム、文章など)の著作権はどちらに移転するのか、明確に定義されているか。
③ 損害賠償と免責事項万が一トラブルが起きた際、賠償額の上限(例:契約金額を上限とする等)が設定されているか。
④ 契約解除と有効期間途中で契約を辞めたい場合、どのような手続きを踏めばペナルティなしで解除できるか。

 
 特に「損害賠償」の条項は重要です。もし上限が設定されていないと、自社のミスで相手方に数千万円の損害が出た場合、会社の存続に関わる賠償を請求されるリスクがあります。こうした最悪の事態を防ぐことが、リーガルチェックの最大の目的です。

4.リーガルチェックの「費用目安」と行政書士に依頼するメリット


 専門家に依頼するとなると、やはり気になるのが費用目安ですよね。一般的に、依頼先(弁護士・行政書士)や契約書のボリュームによって料金は変動します。
 

 リーガルチェックの一般的な費用相場

 • 行政書士に依頼する場合: 約10,000円 〜 30,000円 / 1通
 • 弁護士に依頼する場合 : 約50,000円 〜 100,000円 / 1通

 行政書士によるリーガルチェックは、弁護士と比較して費用目安が比較的リーズナブルであるという特徴があります。「少し内容を見てほしいけれど、何十万円もかけられない」という中小企業や個人事業主の方にとって、非常にコストパフォーマンスが高い選択肢です。

 行政書士に依頼するメリット

 行政書士は「予防法務(トラブルを未然に防ぐ法務)」の専門家です。
単に法律の条文に適合しているかをチェックするだけでなく、「実際のビジネスが円滑に進むか」「分かりやすい文章になっているか」という実務に寄り添った視点でアドバイスができるのが強みです。

5.【重要】行政書士と弁護士、どちらに依頼すべき?

「行政書士も弁護士もリーガルチェックができるなら、どう使い分ければいいの?」という疑問が湧くかと思います。これには明確な法律上の違い(境界線)があります。

【注意】行政書士が扱えない範囲(非弁行為の禁止)

 行政書士は、すでに相手方との間で「トラブル(紛争)」が発生しているケースや、相手方と直接「交渉」を行うことは法律(弁護士法第72条)で禁止されています。
そのため、以下のように使い分けるのがベストです。
 • 行政書士がおすすめなケース:
   これから新しく結ぶ契約で、特にトラブルは起きていない(予防法務)
   コストを抑えて、一般的なリスクがないか添削してほしい
 • 弁護士がおすすめなケース:
   すでに相手方ともめており、自社の代わりに交渉してほしい

   裁判(訴訟)を見据えたシビアな契約書チェックが必要

 大きなトラブルがない「普段のビジネスにおける契約書チェック」であれば、まずは費用の手頃な行政書士に相談するのが最も賢い選択と言えます。

6.まとめ:安心な取引のために早めのリーガルチェックを!

 今回は、リーガルチェックとは何かという基本から、その利用場面確認すべき内容、そして行政書士に依頼した際の費用目安について解説しました。

 契約書は、会社とあなたの身を守るための「盾」です。 「まぁ、大丈夫だろう」という油断が、将来の大きな損失を招くかもしれません。取引先と良好な関係を保ちつつ、自社の利益もしっかり守るために、少しでも不安を感じたら専門家によるリーガルチェックを取り入れましょう。

 契約書に関するお悩み、お気軽にご相談ください!
当行政書士事務所では、中小企業・個人事業主の皆様向けに、安心・明瞭な料金での契約書リーガルチェック・作成サービスを行っております。
 • 「相手から送られてきた契約書、このままサインして大丈夫?」
 • 「自社オリジナルの利用規約を作りたい」
といったお悩みに、迅速かつ丁寧にサポートいたします。

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